ズリ捨て場採掘現場
奥多摩の豊かな自然環境の中に、ブナ原生林の繁る天祖山はあります。天祖山は、東京都水道局所管の水源地ですが、その一方では、石灰石が豊富で約30年前から採掘が開始され、現在は、写真のような有様になっています。渓谷は、ズリ捨て場となり、採掘現場はご覧の様に山が削り取られています。
写真は、労山主催で奥多摩で開催された「自然保護講座」で採掘現場を訪れた際、Kさんが撮影したものです。
天祖山保護運動は、1972年の日原石灰石採掘跡地の大崩落を機に、奥多摩の自然破壊に歯止めをかけようとして始まりましたが、1980年10月東京都が業者に土地を貸付、天祖山は全面的に採掘現場となりました。
今回、「自然保護講座」に参加して、天祖山保護運動の歴史と、その中での利害関係者との対立や村八分問題、東京都知事が代わることで状況が一変してしまったことなどを知りました。その一方で、山岳団体が本格的に自然保護運動に取り組むことで、登山と自然保護について考える機会を作ったことも事実であり、現在も、自然保護活動は続いています。