スギの表面が、「柿渋」で独特の色合いになっています。市販されている「スギ材の腰壁材」に「柿渋」を塗ってスギの白っぽい表面を、このような色合いに仕上げるのだそうです。 根気のいる仕事のようです。

制作者のお話では、
「柿渋」を最初は、水を加え薄くして塗り、塗ったら直ぐに布でふき取り、「柿渋」の濃さを少しずつ濃くしながら、何度も塗り・ふき取る作業を繰り返します。
そして、「柿渋」が発光してきたら、最後に「柿渋」の原液を塗ります。「柿渋」を発光させるためには、日光の紫外線が必要なのと、「柿渋」はすごく臭いので、作業は炎天下で行います、ということです。

スギ山は、私の実家も持っています。今から4,50年前、山を持っている多くの人々が、スギを植林しました。そして、当時は、一生懸命間伐などの手入れをしたものです。 現在は、手入れする人も少なくなり、放置状態の山が多くなりました。商業用の需要の低下や材木の搬出が困難な場合が多く、価値が低下していますから伐採するにはかなりの費用が掛かります。
渋柿も、干し柿を作る人が少なくなり、実がぶら下がたまま次の季節を迎える柿の木をよく見かけます。ちょっと、さみしいですね。
制作者の丹精込めた仕事のおかげで、美しいスギ材の壁を目にすることができます。