実家の庭のあった南天を部屋にかざりました。 今年はたくさんの実が付いています。もっとも、鳥に食べられないように年末まで、母がネットの覆いをかけていました。今は年が明けたので、ネットをはずして小鳥達が食べられるようにしています。 南天は、「難を転ずる」という意味があるようで、掛け軸に書かれていたり、おせち料理の重箱に南天の葉を飾ってあったりして、お正月には、特に目にする機会が多いようです。
南天には、効能話もあります。それは、さっき書いた「難を転ずる」に由来するのですが、お赤飯やおはぎに南天の葉が添えられているのは、小豆を使った食べ物は傷みやすいので、食中毒という「難」を回避すると言う意味で南天の葉を添えるんだそうです。
実際のところ、南天の葉から発する化学物質は、魚の毒消しや、消化、酔い止めなどに効能があるようです。果実も咳止め、樹皮も神経系に薬効があるそうです。「南天のど飴」という飴がありますね。
古い料理本には、「祝儀の時には葉の表を、不祝儀の時には葉の裏を上にして使う」と書いたものもあると言いますから、おめでたい時だけに使うものではなさそうです。 風習との関連で言えば、赤ちゃんが初めてお乳以外のものを食べる儀式・お食い初めというのがありますが、そのときに使うお箸は南天でできたものが良いとされています。南天の箸は食べたものの消化が良くなると言われているからです。
たまに葉っぱが赤いのを見かけますが、あれも同じ南天です。白い実(やや黄色)の南天もありますね。